第17回 大きな決断

30年以上購読していた新聞を辞めることにした。

大好きな新聞だった。
しかし、ここ数年、内容がどんどんひどくなっていた。
権力に対する批判精神がなくなり、「どうしちゃったの?」と思うことが多くなっていたのだ。
それでも、大学生の頃から読み続けてきたこともあり、愛着もあったので購読を辞めるという決断はできなかった。

しかし、今、多くの国民が関心を持っているはずの「自民党議員と統一教会との関係」について、ちゃんと報道しないのである。
いつになったら報道するのかと思っていたが、残念ながら、まともに切り込み、記事にするつもりはないらしい。

報道に関して、何年も前から「新聞やテレビが駄目になった」と言われていた。
そして、今回のことで本当にそう思った。
週刊誌やネットテレビ、一部の地方紙などはがんばっている。
しかし、全国紙や地上波テレビは本当に駄目になってしまったと思った。

残念ながら、全国紙と地上波テレビだけを見ていたのでは社会の真実は見えてこないだろう。
今の時代、ネットがあって本当に良かったと思う。

マスメディアは権力にすり寄ってはいけない。
権力に対して、常に批判精神を持って、緊張感を持って接していなければいけないと思う。
残念ながら、この新聞にはそれがなくなってしまった。
もちろん、社内にはがんばっている記者さんもたくさんいると思う。
しかし、それが記事に反映されていないのだ。
組織の問題なのだと思う。
文化面や連載などは大好きで、毎回とても楽しみにしていたのだけれど。
それが読めなくなってしまうのは本当に淋しい。

「おかしい」と思いつつ購読を続けるのは、信用できない政治家に投票するようなものである。
だから、本当に残念なのだが購読を辞めることにした。
来月からは、がんばっている新聞を購読することにした。

私にとっては非常に大きな決断である。

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